2010-12-04 03:23 [Sat]
Life is work
» 日記
ヒゲがモジャモジャリュックを背負っていて、荷物が山ほど
小汚いオッサン
そんな明らかなホームレス風のオッサンが
ブツブツ独り言を言いながら目の前を歩いていた。
いつも通り終電帰りだったので、時間は既に0時半頃。
誰もいない、いつもの帰宅路。
街灯も消えた薄暗い道に、今日は見かけないオッサンが一人。
仕事が上手くいかずムシャクシャしていた私は
疲れてフラフラと歩いていた。
スーツを着いて、メガネをかけ、手持ちカバンを持ち、
皮靴を履いた私は見た目は立派なサラリーマン。
オッサンの歩くスピードは驚くほど遅く、
みるみるうちに縮まる、対照的な二人の距離。
近づくにつれて、オッサンの独り言がよく聞こえるようになってくる
しかし私はそんな事に興味はなく、オッサンを
横切って通り過ぎようとした
そのとき
「いいなあ、金持ってるんだろお?金分けてくれよぉ~」
私の耳にハッキリと入り込んできたこの言葉。
多分オッサン的には独り言だと思う
でも聞こえた。
「金くれよ」と。
ちょっとイライラしていたのも、あったのかもしれないけれど
ブチ切れちゃったよ・・・
掴みかかるほどヤンチャでもないが、
思わず怒鳴りそうになったレベル
必死に自分を抑えたが、思いっきりオッサンを
ギロリと睨んでしまった
少しニヤケ顔だったオッサンがたじろいだ
「おぉ怖い怖い、なんだよなんだよぉ~… 少しぐらいいいじゃんかよぉ…」
小声でオッサンが呟いているのが聞こえた。
私とオッサンの距離は静かに離れていった。
私は心の中で思っていた。
オッサンは私が持っている金をなんだと思っている?
休みも無く働き、ボロボロになって、賃金をカットされまくって
やりたい事も出来ず、身を削って
やっと手に入れた少量の給料を分けてくれだと……
心底オッサンと私の立場を逆転させたくなった。
オッサンもボロボロになるまで働いて金稼ぐといいよ
逆に私はオッサンのようにゆっくりと散歩したいよ
心に余裕が無いのって嫌なものですね
Life is walk.
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